【自分で修理!?】画面が真っ暗で映らないパソコンは自力で分解修理できるのか?

2007年8月8日水曜日

デジタル機器とサービス

t f B! P L

ある日突然ノートパソコンの画面が真っ暗に


使っていたのはThinkPad R40(2681-2BJ)という機種です。
とにかく安いノートを探して、価格comで見つけた秋葉原のお店で10万円弱で買いました。
買ったのは2003年頃ですから、保証期間はもうとっくに終ってます。
Rシリーズは持って歩くには重いし、そもそもPCを持ち歩くような仕事でもないので、家の中だけで使っていました。
ある日、いつものようにPCを取り出して電源ボタンを押したところ、いつまでたっても画面が暗いままで点灯しません。
電源ボタンをちゃんと押してなかったかなと思いましたが、ディスプレイ下のインジケーターは普通に点灯してます。
ちょっとドキドキしながら強制終了して、再度電源ボタンを押してみました。
が、やはり画面は復活しません。
ショックで画面だけでなく目の前も真っ暗になりました。(T_T)
前回使用したときは特に問題なく終了したはずですし、その後も落としたりといった外圧はなかったはずです。
原因が全く思い当たらないだけにどうしたらよいかわかりません。

応急処置として、テレビをノートパソコンのモニター代わりに

しかし、よく見ると起動時にうっすらとWindowsのロゴが映っているではないですか。
(前の写真をよく見るとロゴが確認できます。)
ということは、もしかして故障したのは液晶だけでは?と思い、背面のSビデオ端子をテレビにつないで見ると、見事にXPの画面が映り、不便ながらも一応PCとしての機能は問題なく使えることがわかりました。


実はこの時点で、この状態に甘んじてしばらく放置してしまいました。
それどころか、テレビ画面でYouTubeの動画を見るなどの新しい使い方に目覚め、ソニーや富士通がテレビ対応のPCを出すのもわかるなあ、PCの将来はかくあるべき、などと思ったりもしておりました。
しかし、ビデオ端子の接続では動画はともかく、小さい文字などはつぶれてしまって読めません。
しかも、PCをつなげるたびに子供が寄ってきて邪魔をするわ、家内からはテレビが見られないと文句を言われるわで、さすがに不便を感じるようになり、やっと重い腰を上げ原因究明に乗り出しました。

(追記)
ちなみに上記写真はブラウン管テレビにSビデオ端子でつないでいる文字通りの超アナログな絵ヅラでありますが、アナログRGB D-Sub15ピン搭載の液晶テレビであれば、アナログRGB(VGA)ケーブル接続で精細な画面出力が可能になります。

もっとも今どきのPCとテレビであればHDMI接続が当たり前ですが。。。

原因はインバーターカード?冷陰極管(バックライト)?フレキケーブル?

まず、レノボのホームページでThinkPadのトラブルシューティングを調べてみました。
「画面に何も表示されない場合」というのが見つかり、それによると
「ドッキング・ステーションやポート・リプリケーターを使用している場合は取り外します。さらにACアダプター、バッテリーを取り外し、再度取り付けてから電源を入れて確認します。」と、あります。
ポート・リプリケーターとはなんぞや?と思いながら、バッテリーをはずしてまた取り付けるという意味不明な指示に従いましたが症状は全く変わりません。


Googleで一般サイトの情報を拾ってみたところ、バッテリーをはずした状態で壁のコンセントから直接電源をとって起動するとか、いくつか対策が見つかりましたが、いずれも効果がなく、そんなレベルでの問題ではなさそうなことがわかりました。

さらに、情報を求めて連日検索を重ねると、細かいことはわからないながらも同様のトラブルの原因として頻出する部品名から、問題と思われる箇所が下記の通り推測できました。
  1. インバーターカード
  2. 冷陰極管(バックライト、CCFL)
  3. LCDケーブル(フレキケーブル)
事態は結構深刻です。

メーカーに修理に出したらいくらかかる?

普段からジャンクPCの修理を楽しんでいるような猛者の方は、いとも簡単に部品交換をしてその成果を自身のサイトにUPしたりしてますが、そんな趣味も知識もない自分にとっては到底手におえない修理だと思い、今度は修理費用がどのくらいなのかを調べてみました。


正規の修理サービスであるレノボの修理サービス(IBM サービスセンター)だと、液晶ごと交換で税込46,200円、修理受付・見積後にキャンセルした場合は往復運送費とあわせて税込8,000円となっています。(平成19年1月1日現在)
パーツ単位で修理してくれるお店もたくさん見つかり、インバーターや冷陰極管の交換は、お店によってバラつきがあるものの、だいたい3~5万円くらいのようです。
また、原因が特定できず修理できない場合もありうるが診断料はいただく、というお店もありました。

修理するよりも買ったほうが安い、かも

技術料が高かったり、キャンセル代や診断料がかかるのはそれなりの理由があると思いますので、それを悪く言うつもりはないのですが、4年前に10万円を下回る値段で買ったPCを5万もかけて修理をするのはいかがなものかと思いました。
さらに見積を頼んで「そんなに高いならキャンセル」というだけでも結構な金がかかるのではとても修理を依頼する気になれません。

これはもう新しいPCを買ったほうがいいのではないかと思い、家族で使えるからと細君の許可を得て安いデスクトップPCを購入しました。(さすがに3年保証付のを選びました)

とはいえ、手元に使えないノートが残っているのも気持ち悪い感じで、多くのサイトで自力修理の成功事例を見ているうちに、慎重にやれば自分で直せるかもしれないと思い始め、あくまで自己責任にて自力で修理することを決意しました。

突然画面が真っ暗になるのはインバーターカードの故障?

原因と思われる箇所は推測できましたが、依然として問題は残されています。
  1. そもそも本当にそこに不具合があるのか?
  2. インバーター、冷陰極管、LCDケーブルのどこから手をつければよいのか?
  3. 部品はどこから取り寄せるのか?
  4. 部品はどれくらいお金がかかるのか?
  5. 必要な工具類は?

この中で①については、残念ながら調べる術がありません。

そのため、現象面から判断して②の優先順位を決めました。というとカッコよく聞こえますが、この裏付けのないあてずっぽな判断が後々問題になってくるのでした。
検索した一般サイトからの情報をまとめると問題の切り分けは概ね次のような感じでした。
  • インバーターカード…突然真っ暗になる。
  • 冷陰極管(バックライト、CCFL)…経年劣化であれば画面がちらついたり赤みがかるなどの前触れがある。衝撃を与えるなどして折れていれば真っ暗になる。
  • LCDケーブル…断線などあれば蓋(液晶)の開け閉めで、時々点灯したりする。
今回は、落としたりして衝撃を与えたわけではないですし、ちらつきや変色などの前触れもなければ、蓋の開け閉めくらいで点灯したりしなかったことから、原因はインバーターカードに間違いない、と判断しました。

レノボのIBM部品センターに電話してインバーターカードの入手方法を確認してみた

ほうぼうのサイトをうろついて、ThinkPadにはパーツ単位で販売してくれる「部品センター」なるものがある、という情報を得ておりました。
また、レノボのホームぺージにUPされている保守マニュアル(pdfファイル)にインバーターカードの交換作業の方法も記載されているようです。
早速マニュアルをダウンロードして、必要ページのみをプリントアウトしました。
ざっと見たところ思ったほど複雑でもなさそうです。
交換作業自体は何とか自分でできそうな気がしてきました。


部品センターの連絡先は、レノボの ホームページ内では見つかりませんでしたが、一般サイトの情報をもとに下記に電話をかけてみました。
  • 日本アイ・ビー・エム株式会社 部品センター 一般部品販売担当
  • 電話:03-5445-0365
  • 受付時間:9:00~12:00、13:00~17:30(土・日・祝日を除く)
コールセンターのお姉さんとは程遠い、いかにもエンジニアのおじさんが電話に出て話を聞いてくれます。
「インバーターカードが欲しいんですが、どうしたらよいでしょうか?」
聞くと部品にはFRUという部品番号があるので、まずはそれを調べて注文してほしい、PCの型番から調べることもできるが時間がかかるのでお客さんのほうで調べていただいたほうがよい、とのことでした。

ThinkPadのインバーターカードの購入方法

まずは自分で調べなさいと、掲示板のように諭され、180ページもある保守マニュアルでFRUを探すと160ページ目にインバーターカードのFRU部品番号が出てました。
  • LCD インバーター・カードワイヤレスなし 26P8413
ちなみに、冷陰極管はFRUとして設定されていません。
つまり、パーツ単体としては販売しておらず、FRUとして購入する場合は「LCD パネル・アセンブリー」というパネル塊での発注になります。
LCDケーブルはFRU「LCDケーブル・アセンブリー」として購入が可能です。
再度部品センターに電話してFRU部品番号を伝えると、在庫が少ないので2~3週間かかるかもしれない、とのことでした。


申し込み方法は次のとおりです。
  1. 請求書を兼ねた「IBM保守用部品購入申込書」がFAXされてくる。
  2. 記載されている金額を指定銀行口座に振り込む。
  3. 申込書に住所・氏名・電話番号を記入。
  4. 申込書と振込控え(ATM利用明細票)をFAXで返送する。
肝心の金額ですが、オークションで取引されてる金額から想定して5,000円程度を覚悟してましたが、意外に安く、部品代3,010円、送料500円、消費税込で合計3,685円でした。
申し込んでしまうとさすがに後には引けず、だんだん気合いが入ってきました。

インバーターカードの交換に必要な道具は?

FAXで申込書を返送してからわずか2日後、宅急便にてインバーターカードが届きました。
在庫僅少ということでしたが、このレスポンスのよさは気持ちが良いものです。
これで簡単に直ってくれれば、コスト・スピードとも修理依頼するより断然お得で万々歳なのですが・・・。
何はともあれ、これでやっと修理作業にとりかかれます。


作業にあたって用意したものは次のとおりです。
  • 交換用インバーターカード(写真)
  • 精密ドライバー
  • マスキングテープ
精密ドライバーは銀行かどこかのノベルティでもらったもので、100円ショップとかで売ってる普通のものです。
保守マニュアルでは、ねじの締め付けの際のトルクを0.294Nm(3kgfcm)という具合に指定しており、そのためトルクドライバーなるものを推奨してます。
マスキングテープは、ねじカバーのとりはずしと、ねじ紛失防止のために一纏めにしておくのに使いました。
いよいよ修理開始です。

インバーターカードの交換作業手順

まず、電源コードを抜いて、バッテリーパックをはずします。
当然のような気がしますが、特にインバーターカードは高電圧のため要注意とのことです。


保守マニュアルによると、バッテリーパックをはずした後は
  1. キーボード
  2. ヒンジ・カバー
  3. LCDアセンブリ
  4. LCD前面ベゼル
  5. インバーターカードの交換
の順に分解していくように指示されていますが、①~③の工程を行わなくても、④のベゼルさえはずせばインバーターカードの交換は可能かと思われました。

工程が増えれば増えるほど失敗する確率も高まると思われ、また何ゆえキーボードまではずす必要があるのか理解できず、一般サイトの中にも実際にそのように作業をしている方がいたことから、自己責任ということで、①~③の工程は割愛させていただき、④のベゼルはずしから着手しました。

ThinkPadのねじは一度締めると外れにくくなる「被覆ねじ」

LCD前面ベゼルとは、液晶のまわりのカバーのことをいいます。
マニュアルによると、ねじ2本で留まってるだけで簡単に取り外せそうな気がします。


ねじには丸いプラスチックのカバーシールがついているので、 まずはこれを外さなくてはなりません。


精密ドライバーをねじ込んでめくり上げるように外します。


これも後述しますが、実はここも無造作にやると回復不能な痛い目を見ます。
マスキングテープで引っ張りながらめくり上げ、カバーシールはなくならないようそのままマスキングテープに貼り付けておきました。


ねじを外すと先のほうがブルーにコーティングされています。
ThinkPadのねじはビニールでコーティングされた「被覆ねじ」が使われており、一度締めると外れにくくなる工夫がされているようです。
しかし、一旦外してしまうと本来の機能が失われるとのことで、最初はねじも注文しようかと思いましたが、面倒なのでそのまま使うことにしました。

意外に難しいLCD前面ベゼルの取り外し方法

ラッチとはベゼルを本体にくっつけている留め具のことです。多分。


マニュアルに記載されている矢印の方向にひっぱりながら外していく(=切り離す)のですが、これが意外と難しく、ベゼルが薄くてペラペラなので、力任せにやると折れてしまいそうなのです。


一般サイトを調べた中では、ソニーボンドのヘラを使うとよいみたいなことが記載されてましたが、そんなボンド見たことも聞いたこともないし、わざわざこれだけのために買うのもどうかと思いました。

爪を立てて画面の下の部分から外していきましたが、留め具をひとつずつ外そうとしてもなかなかうまく外すことができず、結局、画面下部を外した後に既に外れているほうから剥いていくようにそっとねじりながら引っ張る感じで横から上部まで回り込むように外していきました。


特に画面上部のラッチは切り離しの方向が異なるのか、なかなか外すことができませんでした。
慣れてしまえば簡単な作業かもしれないのですが、初めてということもあり、前面ベゼルの取り外し作業だけで30分もかかってしまいました。

ThinkPadのインバーターカードを取り外す方法

前面ベゼルを取り外すと、画面の下にインバーターカードが見えます。

やはりキーボードなどは外さなくてもこの工程で全く問題ないように思われます。
インバーターカードは2本のねじで固定されています。
まずはこれを外します。


ねじをはずすと、コネクタで2つのケーブルとつながってることがわかりました。
ひとつはLCDケーブルでこれはインバーターの裏側でガッチリくっついてます。
もうひとつは冷陰極管につながってるものでインバーターの右側に赤白の配線でつながってます。
どちらも意外に固くて無理に引っ張ると壊れそうでしたが、勇気を出して無理に引っ張って外しました。


無事インバーターカードを外すことができました。
画面下の左側の緑のコネクタがLCDケーブル、右側の白いのが冷陰極管のコネクタです。

ThinkPadのインバーターカードの取り付け方

いよいよ新しいインバーターカードを取り付けます。


ビニールのカバーで覆われてる部分が高圧電流が流れるところ、だと思われます。
入手したインバーターカードにはベゼルを固定するねじのカバーシールが2枚付属してました。

まず、LCDケーブルのコネクタを取り付けますが、インバーターカードをちょっと押しつけたくらいではハマりそうにありません。


しかも、LCDケーブルが短くて画面下にはコネクタ部分だけが顔を出している感じで、しっかり固定するには力ずくでケーブルを引っ張り出すしかなさそうです。
コネクタを引っ張り出し、基盤の部分をさわるのがよいのか悪いのかわかりませんが、力を入れて押し込まないとハマらないので両手指で基盤部分とコネクタを挟んでぐっと押し込みました。

右側の冷陰極管のコネクタは赤白の配線がつながってますが、赤と白の方向がわからなくなってしまたので、分解前に撮影したデジカメ写真を見直して赤が上であることを確認して取り付けました。
写真を撮っておくとこういうときに便利です。

自力でインバーターカード交換修理完了!果たして直った?

ねじを締めてインバーターカードは無事交換できました。


あとは分解したときの逆をたどって組み立てていけばOKです。
ベゼルも外すのは苦労しましたが、はめるのは簡単でした。
被覆ねじのトルクも全然気にしなくて平気です。
ねじのカバーシールを貼って、バッテリーを再度取り付けたら修理完了です。
写真を撮りながら慎重に作業しましたが、それほど時間がかかった感じでもなく、修理なんてパーツさえあれば意外に簡単だよね、とか思ったりしました。
さて、これで本当に直ったのか、いよいよ電源を投入します。

果たして明るい画面は戻ってくるのか、運命の瞬間を祈る思いで待ちます。。。


・・・が、無情にも愛機R40は沈黙したまま何も映そうとしませんでした。
しいて変わった部分を挙げるとすれば、インバーターカードの交換前は起動時に小さく「ポツッ」という何かがうまくいってないんじゃないか的な音がしていたのですが、これが「カチッ」という音にかわったくらい・・・。

結論。
インバーターカードじゃなかった・・・。orz
どっと疲れが出て、工具の片付けもそこそこに消灯して就寝してしまいました。

液晶バックライト(冷陰極管)を買うなら有限会社マスター

インバーターカードを無駄に購入してしまったショックの一方で、次にあやしい箇所である冷陰極管(バックライト)を交換すればきっと直るに違いないという根拠のない期待が再び自分の中で盛り上がってきました。

冷陰極管の交換はマニュアルに載っていませんが、サイトに成功事例を掲載している人は多く、部品代もインバーターカードより安いため、ここで引き下がるのはもったいない気がしました。
前述のとおり、インバーターカードと違って冷陰極管はIBMの部品センターでパーツ単体としては販売されていません。
そのため、市販のものをショップで探すことにしました。

いろいろ調べるといくつか有名なお店があるようでしたが、その中で有限会社マスターというショップが最も安く品揃えも豊富と思われ、ここで購入することにしました。


冷陰極管は画面サイズやメーカーによってサイズが異なるようです。
R40の冷陰極管サイズなど都合よく掲載されてるサイトなどなく、ここはまたあてずっぽで、R30とか50とかの型が近いシリーズでの交換事例から憶測して、ずばり2.0mm×290mmに間違いないということで、これを1本税込900円+送料600円の計1,500円で注文しました。

注文後ネットバンキングで入金処理をすると、その日のうちにショップから着金確認と商品発送のメールが届きました。
IBM部品センターのときと同様、素晴らしいレスポンスと気持ちの良い対応に気合は高まっていくのでした。

冷陰極管(液晶バックライト)の交換手順

翌日、もう冷陰極管が届きました。
注文したのは1本でしたが、なぜか2本入っています。


有限会社マスターさんのサイトによると「冷陰極管交換作業中に破損してしまったというご連絡を多く頂きます。購入の際には、数本多めにご購入される事をお勧めいたします。」とのこと。
ここは親切で1本余分に入れていただいた?マスターさんのご好意を素直に受け取ることにしました。
ありがとう!マスターさん

それにしても予想以上の細さにびっくりです。
これは折れても仕方がない感じです。

ダンドリとしては、
  1. LCDパネルを外して
  2. モニターの底部の不良の冷陰極管を撤去
  3. 新しい冷陰極管をインバーターカードから伸びている配線にはんだづけして
  4. 元のさやに納めて
  5. LCDパネルを元に戻せば完了
と、工程としては単なる交換なのでたいしたことはなさそうなのですが・・・。
作業にあたって用意したものは 
  • 交換用冷陰極管(写真)
  • はんだごて+はんだ
  • 精密ドライバー
  • マスキングテープ
  • 熱伸縮チューブ(使用せず)
はんだごてなど中学校の技術科の授業以来です。当然持ってないのでこれだけのためにヤマダ電機で買ってきてしまいました。ここでまた1,000円の出費です。
100円ショップのダイソーでなんと150円のはんだごてを売ってるらしいのですが、在庫がなく入手できませんでした。はんだはケイヨーデイツーで100円で購入しました。
熱伸縮チューブははんだ付けした部分の絶縁用に必要な機種もあるようですが、R40では使いませんでした。

ThinkPadのLCDパネルの外し方

さすがに分解も2回目となると手際がよくなります。
インバーターカードを外すところまでは、あっという間にできるようになりました。


次からは初めての工程ですが、ここまではまだマニュアルがあるので大丈夫です。

と、たかをくくっていたのが間違いのもとでした。
まずLCDパネルをカバーから外すために、上の図の②のねじをはずすのですが、ねじの上には丸いプラスチックのカバーシールがついています。
このシールが意外に強力に貼り付いているので、精密ドライバーをねじ込んでぐっとめくりあげたところ、


なんと、シールの粘着力でねじの頭がもぎとられ、途中で折れてしまいました。
いきなり出鼻をくじかれ、相当やる気がダウンしましたが、幸いLCDパネルを外すには支障がなく、そのまま作業を続行しました。


ねじはご覧のとおりです。


ヒンジの部分のねじも外します。


無事、かどうかはともかく、カバーを外すことができました。


ちなみにカバーの中はこんな感じです。


中を走っているオレンジの平らなケーブルがLCDケーブルです。
本体から出て3本に分岐していて、察するところ、手前上部のケーブルがモニターの表示、奥のコネクタがインバーターカード経由冷陰極管で画面を発光、手前下部の細いケーブルがキーボードランプのようです。
キーボードランプが生きていたのも、LCDケーブルが原因ではないとにらんでた理由ではあります。

折れたねじがパネルに残っていたので、ラジオペンチで取り外しました。


ここから作業は急に細かくなっていくのでした。

ThinkPadのLCDパネルの分解方法

ここからは未踏の領域です。
まずはヒンジからLCDパネルを外します。


そもそもLCDパネルはひとつの部品ということになっているので、その分解方法はマニュアルにも載っていません。
もとの状態を忘れないように写真をとりながら慎重に分解していきます。

ヒンジからLCDパネルをはずしましたがLCDケーブルを外すのが怖いのでそのまま作業をすることにしました。

古い冷陰極管を取り出す

冷陰極管の収まっているU字型のホルダーは、液晶モニターの下側にセットされているので、そこが上になるようにパネルを立てて作業をします。

ホルダーはねじと金属テープでがっちり固定されているので、これを慎重にバラしていきます。

中央でホルダーを固定している金属テープは、最初はカッターをねじ込んではがしていましたが、テープを破いてしまってきれいにはがせない上に時間がかかるので、思い切って指でつまんでひっぱったところ、こちらの方がよほどきれいにしかも早くはがすことができました。

パネルのフレームとホルダーは相当ガッチリ組まれていて、外せそうな気がしませんでした。
無理やりドライバーをねじ込んでバラしていきましたが、このあたりからは修理というよりもむしろ壊している感覚で、かなり後悔しながらの涙目の作業になってきました。

落ち着いて写真を撮る余裕もなく、ブレた写真が増えているのはそのためです。
実際、他の一般サイトでもこのあたりの写真は少なく、なんとなくその理由がわかった気がしました。

なんとかホルダーをはずすことができました。
ねじはわからなくならないように、マスキングテープに貼り付けて順番に並べています。

新しい冷陰極管をはんだで接続

冷陰極管にはホルダー内で固定するためのゴムリングが3個ついています。
無理に引っ張り出そうとすると、折れてしまう可能性があります。
慎重に左右均等にじわじわと引っ張り出しました。

新しい冷陰極管と長さ・太さを比べてみましたがぴったりです。

冷陰極管の両端はゴムのカバーで絶縁されています。
そのため用意した熱収縮チューブは使用しませんでした。
100円が無駄になりました。

はんだごてで両端の接合部を溶かしてリード線を外します。
冷陰極管の下に3つ並んでいるのがゴムリングです。

新しい冷陰極管と比べると端の部分が後退しているように見えます。
はたしてこれが原因なのでしょうか?
新しい冷陰極管の端の導線をニッパーで短く切ってリード線を取り付けました。

はんだの使い方が慣れていないので、カッコ悪いです。ゴムのカバーもうまくハマりません。

うまくカバーがハマらないまま強引にホルダーに押し込んだら、リード線が取れてしまいました。(TдT)

再度ニッパーで導線をさらに短く切ってはんだ付けをやり直しました。
今度はきれいにできたと思います。\(^o^)/

冷陰極管をホルダーに戻して、バラした順番の逆にくみ上げていきます。
ホルダーを金属テープで留めていた部分がどうしてもきれいに組み上がらず、写真のようにフレームが微妙に膨れ上がってしまいました。

インバーターカード、ベゼルもとりつけて、やっと修理完了です。
はたして、今回は直ったのでしょうか?

冷陰極管交換完了、今度こそ直った?

家族が寝静まった12時すぎから作業を始めて、時計の針はもう午前4時を指しています。

慣れないはんだごてを駆使しながらも、なんとか冷陰極管を交換することができましたが、インバーターカードのときと同様に、それが明らかに壊れていたという確証がないため、期待を込めつつも自信を持てぬまま電源を投入しました。


・・・が、やはり現実は甘くありませんでした。

画面は真っ暗なまま、事態は作業前と全く変わっていません。
それどころか無理な修理でむしろ悪化しているのやもしれません。。。

もうぐったりです。

再び結論。

冷陰極管でもなかった・・・。orz

前回にも増して、空しさだけが残る結果に、崩れ落ちるように消灯して就寝したのでした。

残る可能性はLCDケーブル(フレキケーブル)?

インバーターカードも、冷陰極管も、画面真っ暗の原因ではありませんでした。
できるだけお金をかけずに直そうと決めていたのに、無駄な買い物をしたばかりか、冷陰極管にいたっては何も問題ないところに手を入れて余計に壊してしまった可能性すらあります。


とはいえ、ここまできたら簡単には引き下がれません。
再びgoogleで検索しまくったところ、残る可能性のLCDケーブルについて、コネクタなどの接続部分の接触不良を疑ってみるべき、との記述が見つかりました。

ということで、今度はいきなり交換ではなく、接触不良箇所がないか点検してみることにしました。
作業としては、LCDケーブルのコネクタを一旦外して、ファミコンのカセットのように埃を吹き飛ばして差し直す、というイメージですw。

LCDケーブルのコネクタに到達するにはキーボードを外さなければなりません。
再びマニュアルを見ながら作業を開始しました。

ThinkPadキーボードの取り外し方法

中古パーツ屋でもThinkPadのキーボードはたくさん売られており、修理に限らずキーボード交換は割とポピュラーな作業であると思われます。

例によって、まずバッテリーをとりはずし、マニュアルにしたがってキーボードを固定しているねじをはずしました。

次にキーボードをはずすのですが、マニュアルの②の絵の意味がわからず、キーボードがはずれません。

よくよく見るとバッテリーの入っていた部分の底に、マニュアルと似ている箇所があります。 
ここをぐっと押したらキーボードがパカッとはずれました。

あとはキーボードを持ち上げてそっと外します。

よくオークションでキーボードだけ出品されたりしてますが、キーボードを交換するだけなら意外と簡単にできることがわかりました。

LCDケーブル(フレキケーブル)発見

キーボードを外すと中央にLCDケーブルのコネクタ部分を発見しました。


これを外してファミコンカセットのように埃を吹き飛ばす予定wなのですが、一応マニュアルでバラせる範囲はバラしてみようと考えました。

ケーブルに添付されてるラベルにはFRUナンバー”91P6790”が印字されています。
マニュアルによると、正式名称はLCDケーブル・アセンブリーだそうです。

マニュアルにそってキーボードのケーブルのコネクタを外しました。

次にヒンジカバーをはずします。 

これは比較的カンタンにできました。


このあたりは特に目的もなくバラしてる感じですが、次の工程でちょっと意味がでてきました。

破損箇所を発見し修理する


マニュアルではLCDアセンブリーと記載されている部分をバラします。
まず、背面のねじを外しますが、何故かこのねじがうまく外れません。
その理由はあとでわかりました。

内側のねじも外して、キーボードをおさえているベゼルを外します。


正式名称はKBDミドル・ベゼル・カバーアセンブリーだそうです。

ここで、先程ねじが外れにくかった理由が判明しました。
KBDミドル・ベゼル・カバーアセンブリーに埋め込まれているナットが、KBDミドル・ベゼル・カバーアセンブリーの破損によって落っこちているのが見えます。 
すかさずピンセットで救出しました。

蓋の開閉や膝置きで操作したときに負担がかかる部分なのでしょうか?
とはいえ、これが原因とは到底思えないのですが・・・。

破損箇所をアロンアルファで修理する

得意のアロンアルファで修理します。

細かく破砕していたので欠損部分もありますが、組み立てには支障がなさそうです。

バラして良かったと思える唯一の部分でした。

すべての作業完了・・・。直った?

見た目でわかるものではないと思いますが、LCDケーブルのケーブル部分にはさしたる異常も見当たらず、あとはコネクタ部分の接触不良くらいしか怪しい箇所はありません。
マニュアルどおりコネクタを固定しているねじを外します。

が、このねじが異常に硬く締まっており、精密ねじではびくともしません。
 無理にまわそうとしてもねじ穴を壊すだけで、これ以上の分解は難しいと悟り断念いたしました。
   悪あがきは承知で、コネクタ部分のラベルをはがして配線を眺めてみましたが、何も解決しません。
おとなしく、バラしたパーツを元通りに組み立てていきました。

そして、期待薄の最後のトライ、電源を投入しました。。。


予想を裏切ることなく、画面真っ暗のまま、マイノートの復活は夢と消えたのでした。

そして最終結論に。。。

画面が真っ暗で映らないパソコンは自力で分解修理できない。orz 

 徒労感と敗北感いっぱいの中で、自戒の意味を込めて、かかった費用を計算してみました。

  • インバーターカード(送料込み):3,685円
  • 冷陰極管(送料込み):1,500円
  • はんだごて :1,000円
  • はんだ:100円
  • 熱伸縮チューブ:100円
  • 合計:6,385円

いい大人としては、金額以上にそれに費やした時間や手間が惜しまれます。

壊れたまま放置するのは悔しいのですが、データもそのままなので、テレビ専用機として使うことにします。

どなたか、この記録を見て、画面真っ暗の原因または故障箇所の可能性わかれば、ご指摘ください。

駄文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

7年ぶりに冷陰極管点灯?

あれから7年。。。(はじめてのおつかい風にお読みくださいw)

R40の後継機として購入したデスクトップ(ThinkCentre M51 当時約80,000円)もXPってことで、そろそろ引退の時期を迎え、新たなデスクトップPC(lenovo H530S 本体のみ46,580円)を発注しました。

中身スカスカの廉価版ノートR40が約11年前に約10万円ですから、PCはホントに安くなったと思います。

R40は、その後ずっと押入れの奥に格納されたままでしたが、デスクトップの引っ越しついでにR40の中身も新しいPCに移そうということで、超久しぶりに引っ張り出して電源を入れてみたところ、



な、なんと、画面下部がほのかに明るく光っているではありませんか!

こ、これは7年ぶりに復活するのか?と思い、期待しながら立ち上がるのを待ちます。

画面が真っ暗になったPCは自力で修理できたのか?

そして、立ち上がった画面がこちら!



部屋を暗くして撮影しているので、画面全体がぼんやりと光っているように写ってますが、実は明るいのはタスクバーくらいまでで、画面上部は相変わらず真っ暗であります。

とはいえ、冷陰極管を交換後7年!を経て初めて光ったというのは大変な驚きなわけで、自分の素人工事も間違ってなかったのではと今更思ったりします。

では、何故画面全体明るくならないのか?ということが非常に気になります。。。

新しいPCが来れば、ますます使う機会は無くなるのでは、と思われるR40。

果たして完全復活の日は来るのでしょうか?

多数の閲覧ありがとうございます

このシリーズ記事ですが、2007年に筆者の他のBloggerアカウントで掲載していたものを閉鎖して本ブログに転載しております。
約9年間で10万PVの閲覧とあわせて参考になるコメント(そのまま転載してます)も多くいただきましたことを御礼申し上げます。

皆様からアドバイスいただいたコメント↓

こちらのほうがよほど参考になりますのでw是非ご覧ください。
                                   

                                   

                                                                                  

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