【男性用サコッシュ】ヤギ革と栃木レザーでサコッシュを自作してみた

2018年7月16日月曜日

レザークラフト

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ワンショルダーバッグは痛い?

半年かけてショルダーバッグを作った直後、ワケあって思い立ち、次の作品に着手。
なんと都合3日で新作が完成しました。

イオンとかイオンとか(^^;)近所に出かける際に、必ず持って行くのが2台のスマホとお財布。
女性と比べれば、男の持ち物は全然少ないのですが、ポケットに入れるにはちょっと厳しい物量なんですよね。
んで、そういうときは、しばらく前に自作したリメイクのワンショルダーバッグを背負ってウロついていたのですが、子育てお父さんが皆揃いも揃ってワンショルダーを背負ってるのにふと気づき、コレひょっとして痛くね?とちょっと思い始めてました。。。
そんなある日、漢(オトコ)もすなる、サコッシュなるポーチというかポシェット的なものが流行りだと聞きつけ、次に作るのはこれにしくはないと思っていたワケです。

浅草橋でヤギ革と栃木レザーを調達

年明け早々、とあるニーズが発生し、早速行動に移すべく、例によって浅草橋に出向き、売り場であれこれ思案の上、ヤギの一枚革と栃木レザーの革紐を仕入れてきました。
こないだ完成したショルダーを、革を仕入れた店の店員さんに見せびらかすのも、その目的だったりして(^^;)

ヤギ革は初めてのチャレンジです。

材料を揃える際には、だいたいの仕上がりイメージをつかんだ上でお店に行くのですが、結局は売ってる材料ありきで、店頭をウロウロしながら考えることが多いです。
なので、買い出しはメチャメチャ時間がかかります。
本体とベルトの革以外の材料も、ベルトの金具、Dカン(輪っかです)、ナスカン(レバーのついたカラビナみたいなやつです)、ヒネリ(バッグのフタの留め具です)など、デザインだけでなくサイズや色を合わせながら、細かくチョイスしていきます。

で、帰宅後、例によってパワポで設計図を作るのですが、やはり材料ありきで大きさやデザインを決めていきます。
今回はサイズが小さいので、プリンターで出力した型紙がそのままモックアップになります。
A4コピー用紙のモックアップ。テクスチャで色付けし、ひねり金具の画像もプリントしてます。
調べると、サコッシュはマチのない薄いものが多いようですが、スマホ2台と財布を入れるとかなりの厚みが出るわけで、とあるメーカーの作品を参考に、底面にレトルトパウチ方式のマチを作ることに。

レトルトパウチは愛用しているソフトダレスのHerts社のアイデアを拝借w。
実際にモノを入れてぶら下げてみると、なんだか丁度良さげな感じではあるので、あまり細かい調整はせずに、この仕様にて製作を始めたわけであります。

デザインを考える時は、ちょっとだけオリジナルを主張すべく、アール(曲線)を取り入れることが多いのですが(例えば手帳型スマホケース。市販品は直線のものばかりですね)、今回は潔くあえて直線基調にしてみました。
実はこれもモックアップでシミュレーションして決めています。
設計段階はまだ選択肢が多いので、いかにステキに実現できるかの想像力が問われますが、作り始めてからは、細かな失敗や思い違いをどう克服できるかのリカバリー能力が問われます。
問う人なんていないんだけどね(^^;)
そもさん!せっぱ!汝に問う・・・なんてね。若い人、わかるかな?

ヤギ革の裁断と縫い作業

で、モックアップのパーツをそのまま型紙として、一枚革を裁断します。
縫い作業は今回も手縫い。
底面のレトルトパウチ部分から縫い始めました。

型紙です。

裁断したヤギ革です。
レトルトパウチ風っていわれても男性はピンとこないと思いますが、いわゆるボンカレー的なレトルト食品がお店の棚で自立してるやつって言えばなんとなくわかるでしょうか?
側面にはマチはなく、底面のマチが中身の重さで広がる構造なんですが、縫製するのにシンプルで、モノを入れても形が崩れないので都合が良いんです。
んで、マチの幅は500mlのペットボトルが入るように設定しました。

底面を縫い合わせた図。側面はマチをとらずに縫い合わせてしまいます。
底面を縫い合わせた後、底面を二つ折りにして、その側面を接着してミニクランプで固定。
その際に、ベルトを繋げるためのDカンをバッグ上部に挟み込みます。

カタチがシンプルなので、簡単にできてしまいます。
ボンドの乾燥を待ち、側面を縫製すれば本体の縫いは完了です♪

今回は縫いの距離も短くて助かりました。

ヤギ革はコバをトコノールで磨くとピカピカに

革の切断面をコバといいますが、革製品の品質はこのコバの処理でわかる、なんていわれてます。
高級なお財布とかのコバはホントに美しく処理されてます。
めんどくさがりな自分としては、最も苦手な作業なんですが、浅草橋の店員さんの言葉を信じると、ヤギ革はコバをトコノールで磨くとピカピカになるのだとか。
ならばということで、まずは縫い合わせた面が平らになるように、ひらすら紙ヤスリで削っていきます。

面倒なコバ磨き作業。性格的な問題でしょうか?
最初は目の粗いものから始めて、徐々に細かい目のものに変えていきます。
もういいや、と思ったところで、トコノール(仕上げ剤)を筆で塗り、ウッドスリッカーというちょっと怪しい形の棒(^^;)で磨きます。
これを何度も繰り返すと、店員さんいうところのピカピカなコバが完成するわけです。

トコノールをはみ出さないようにキレイに塗るのも苦手。
本体と並行して、ベルトも革紐から作ります。
材料は最高級といわれる栃木レザーのヌメ革。
冬場にコートやダウンジャケットの上から斜め掛けする事も想定して、長さを調節できるように尾錠、いわゆるバックル金具を取り付けます。
この加工は前回のショルダーバッグの時も経験済みですが、今回は部品が小さいので慎重に進めます。
ベルト通しは通常革で作りますが、小さすぎて同じ素材では難しい(本当は面倒くさかった)と判断し、たまたま在庫があった角カン(長方形の輪っかです)を使用。

折り返すと厚みがでるので加工しづらいんです。
革の裏側がザラザラなので、ここにもトコノールを塗り、ヘラで平らにならしていきます。
最後に両端にナスカン(レバーのついたカラビナみたいな金具)を巻いて、カシメ(リベットです)を打って完成です。
前回は紹介を端折りましたが、ベルトも結構面倒なんですね(^^)

角カンはちょっと横着かもですが、在庫あってよかったですw。


完成品ギャラリーと使用感レビュー

いよいよ最後の工程。
ランドセルの留め金みたいな、フタの押さえとなる金具を総称してヒネリと呼ぶらしいのですが、今回は、店頭でちょっと気になった、クラシカルな金具を購入しており、これを上手く付けられるかが最後の難所なわけです。
金具には専用のカシメ(リベットです)がセットされてましたが、見た目の比較では、カシメの足の長さに対して革の厚みが足りないので、念のため足が短い極小サイズのカシメを手芸屋で確保しておきました。

丸く打ち抜いた革を間に入れてみましたが、結果これが余計でした。
んで、実際にやってみると、写真のように1枚厚みを加えても薄すぎで、カシメの足が曲がってしまいます。
仕方なく、足の短いカシメを打ってみると、今度は短すぎてポロッと外れてしまいます。
結局、間に挟んだ革をはがして締めてみるとやっと丁度良い案配に。
最後どうなるかと思いましたが、とりあえずはこれで完成です。

フランス語で袋を意味するサコッシュ。自転車のロードレース時に使われてるんだとか。
マチの出来具合もモックアップ通り。

マチがあるとないとでは容量に大きな差がでるだけでなく、見た目がパンパンになるのを防いでます。
自分としては短時間で仕上げたわりに、なかなかのモノが出来たとまあ満足なわけです。加えて材料調達から完成までわずか3日間と、珍しく短納期で出来たということで喜びもひとしお。
ということで早速使用感をレポートw。

若い方のサコッシュの肩掛けスタイルは、ベルトを短めに胸の前あたりにぶら下げるのが今っぽいみたいですが、オッサンがそれをやるとどうも似合わない(-_-;)
無理して若作りしてるというよりも、孜ちゃんの省エネスーツ(^^;)のような、異質なものを身に付けてるようにしか見えないわけです。

なもんで、普通に腰の前あたりにぶら下げてみます。
写真は何も入れてない状態ですが、スマホ2台と財布を入れて買い物に行ってみると、ポケットにパンパンに入れて歩くよりも、かなりいい感じ。スタイルとして、なんというか潔い印象があるような気がします。

小さいサコッシュはオッサンには似合わない。これくらいがベストかと。
ちょっとアンティークなヒネリの金具は、見た目だけで選びましたが、目視せずとも片手でカンタンに開閉でき、意外にも実用的。正確な位置に取り付けできたこともあり、フタを落とすだけでオスメスが噛み合い、カンヌキ部分を文字通りヒネるだけで施錠ができます。

自分でいうのもナンですが、コレは良いものができたということで、帰り道にダイソーに寄り、紙箱とパッキン材とリボンを購入。↓のようにラッピングしてみました。


実は、今回の作品は、お世話になった方へのプレゼント。
わずか3日間で完成したのは、送別会が決まっており、納期が限られていたからなのですねー。
ただし、思いのほか良いものができたということで、自分用にも作ろうかなーとは思ってます。
半年経過した今も完成してないけど(^^;)

ということで、今回の工作日記はこれで終わりです(^_^)ノ


(追記)
2年後、やっと自分のサコッシュを完成させました、が。。。↓


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