革と帆布の3way🐭ポーチ
前回記事でお披露目したサコッシュは、使い勝手こそ問題ないものの、「まー普通」なデザインで、持っていてキモチのよい楽しい作品かというと、そこまでの代物とはいえませんでした(-_-;)。その反省を得て、今回コンセプトから練り直して、完成させたのがコチラ↓。
名付けて「革と帆布の3way🐭ポーチ」であります。
名付けて「革と帆布の3way🐭ポーチ」であります。
その開発ストーリーを整理してみました。
使っていてキモチのよい楽しいデザインは、自然と注目を集めるもので、人から「それいいね!」と言われるのは、モノづくりをしていて最も嬉しい瞬間であります。
そこで、目的や用途は思い切ってシンプルなものにして、アソビの余地を増やしてみようと画策。
コンセプトは「外付けポケット」。近所の買い物や散歩などのお出かけの際に、身軽な服装のまま、スマホとお財布だけ持って出かけるときのアクセサリー。つまり、この外付けポケット自体をファッションの一部としたい意図があります。
ポケットだけに、容量も限られてますが、フタを開け閉めしなくてもすぐに取り出せる利点もあり、出し入れが多いスマホなんかはそれで充分だと思います。ホルダーという概念に近いかもしれません。
そこで思い浮かんだのが、大工さんが工具ケースとして腰にぶら下げる外付けのポケット↓。
これはこれで、ある種の可愛さはありますが、アクセサリーというには武骨すぎますね(^^;)。ただし、丈夫でカジュアル感のある素材は参考とすべきで、材料コストを安く抑えることができるコスト面のメリットもあるかと思われます。
美容師さんや花屋さんが使うハサミ入れ、「シザーケース」です。
ハサミやクシやクリップを収納するワークツールホルダーですが、機能美ともいえる秀逸なデザインのものも多く、使う人のこだわりからかオーダーメイド品も少なくありません。
右利き/左利き用があるアシメトリー(左右非対称)デザイン、内側の毛払い掃除ができるように分解が可能な構造など、かなり面白いプロダクトだと思います。
縫製ではなく、金具であるホックで留める構造や、パーツの数が少ないことは、工数の削減=手間のコストを下げることにつながるメリットもありそうです。
また、ウエストポーチとしてだけではなく、ショルダーストラップで使えるため、服装を選ばず、女性にとっては使い勝手のよいものになっています。
外付けポケットというコンセプトを満たすプロダクトから、コストや手間を抑えるヒントや機能デザインのアイデアを拝借しましたが、デザインをよりチャーミングに見せるためのモチーフとしては、以前作ったオリジナルの「マトリョーシカ型がま口」のシルエット↓が我ながらかなり気に入っており、これと相似形のものを目指すことに。
➡【需要ある⁉】オフィス内で携帯できる"可愛くて薄くて小さい"セカンドウォレット
ということで、前回の反省点を踏まえたポイントで整理すると以下のとおりとなります。
コンセプトと開発ストーリー
前回の反省から、手間やコストの削減、使い勝手や機能優先でものづくりを発想してしまうと、デザイン上のアソビの部分が二の次になってしまい、チャーミングさに欠ける食指の動かない作品になってしまうことを再認識しました。使っていてキモチのよい楽しいデザインは、自然と注目を集めるもので、人から「それいいね!」と言われるのは、モノづくりをしていて最も嬉しい瞬間であります。
そこで、目的や用途は思い切ってシンプルなものにして、アソビの余地を増やしてみようと画策。
コンセプトは「外付けポケット」。近所の買い物や散歩などのお出かけの際に、身軽な服装のまま、スマホとお財布だけ持って出かけるときのアクセサリー。つまり、この外付けポケット自体をファッションの一部としたい意図があります。
ポケットだけに、容量も限られてますが、フタを開け閉めしなくてもすぐに取り出せる利点もあり、出し入れが多いスマホなんかはそれで充分だと思います。ホルダーという概念に近いかもしれません。
そこで思い浮かんだのが、大工さんが工具ケースとして腰にぶら下げる外付けのポケット↓。
カーハートのその名も「カーペンターズポーチ」 |
スマホ同様、出し入れを繰り返す工具は、フタなしのホルダーのほうが便利。 |
シザーケースのデザインと構造にインスパイア
同じような外付けポケットといえる機能とデザインを兼ね備えたモノを探していたところ、、、見つけました!美容師さんや花屋さんが使うハサミ入れ、「シザーケース」です。
美容にかかわる職業だけに、ツール自体もオシャレなものが多いのです。 |
右利き/左利き用があるアシメトリー(左右非対称)デザイン、内側の毛払い掃除ができるように分解が可能な構造など、かなり面白いプロダクトだと思います。
前ポケットは本体に巻き付けて裏側でホックで留める分解可能な構造。 |
分解しやすいシンプルなパーツでホルダーを構成する面白い作りになってます。 |
ポケット内には、ハサミを1丁ずつ収容するためのホルダーが。 |
花屋さんのシザーケースはフローリストケースとも呼ばれます。 |
素材は本体・ストラップとも耐久性のある革素材のものがほとんど。 |
➡【需要ある⁉】オフィス内で携帯できる"可愛くて薄くて小さい"セカンドウォレット
がま口には珍しい縦型のデザイン。小さいゆえに指が入らず、小銭入れとしてはメチャ使いづらいですw。 |
ゆえにピアスなどのアクセサリーケースとしての使用を推奨してます。 |
通勤電車の中で描いたイメージラフスケッチ。 |
- 開発コンセプト : アクセサリーとしての外付けポケット
- デザインモチーフ : マトリョーシカ型シルエットのシザーケース
- オリジナル機能 : 肩にも腰にも下げられる、スマホ/お財布ポーチ
- 工数・手間の低減 : パーツを少なくし、手縫いではなく金具で組み立て
- 材料コストの低減 : カジュアル感のある帆布とレザーの組み合わせ
モックアップを作って仕上がり形状をシミュレーションした形跡の図。 |
完成品ギャラリー
普段は製作工程を公開していますが、今回は企業秘密wということで完成品のみを披露。
カラーバリエーションは3色。メインカラーのレッドです。 |
帆布は4号の倉敷帆布。カーキっぽいですが、メーカーによると色はモカです。 |
マトリョーシカ型シルエットですが、目と耳があるのでねずみ🐭も意識してますw。色はヤマブキ。 |
前ポケットは、裏側でカシメ金具で固定。ホックではないので分解はできません。 |
内側は豚ヌメ革を使用。パーツ全体を綾テープで縁取りしてミシンで縫製しています。 |
シザーケースからインスパイアされていることを示す、ハサミのチャーム付ウッドビーズアクセサリー。 |
スマホがジャストサイズで入るサイズ感。左はPixel3a、右はiPhoneSE。 |
タンニンなめしの牛ヌメ革ストラップは長短2種類。肩掛け用は2つを繋げて使用。 |
短い腰用はボトムスのベルトループ等を利用して装着することを想定。 |
ショルダー着用時イメージ。女性の身長は157cm。 |
軽くて丈夫なので仕事時のウエストポーチとしても使えます |
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