2020-03-20

薄マチなのに500mlペットボトルが入る、レザー&帆布のサコッシュを自作してみた。

2020-03-20
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以前、お世話になった方へのプレゼント用に自作のサコッシュを拵えた話↓をしておりますが、

➡ ヤギ革でサコッシュなるものを自作してみた。

自分の分も作ろうと思いつつ、面倒でずっと先送りになっておりましたところ、このほどやっと重い腰を上げて、歯を食いしばってw完成させましたので披露させていただきます。




手縫い VS ミシン縫い

しばらく前に、自身のオリジナル作品として、セカンドウォレット↓を作って販売してみたのですが、



無事お買い上げいただいたのは、非常にありがたく自信にもなった一方で、手間を含むコストを考えると、この作品を製作・販売し続けるのは厳しいものがあるなと感じておりました。
これはこれで、改良を加えていくとして、もうちょっと手間とコストをかけずにできる作品を考えたいものだと思っていたのが、サコッシュないしはポーチであります。

キャッシュレス時代ではありますが、カードや免許証が入った財布は持ち歩かないわけにはいかず、そして肌身離さずのスマホと、もう一台会社支給のスマホ(これは人によりますが)。
小型化する財布とは逆に、大画面化するスマホが2台というのは差し引いてプラスなわけで、これらでポケットをパンパンにしてウロウロするのは、夏場は特に厳しく、小ぶりでオサレなサコッシュはニーズが高いのではと思うわけです。

一応オリジナル作品である、件のヤギ革のサコッシュは、プレゼントゆえ手間とコストを惜しまず作りましたが、自身のものですら作るのが面倒な横着者としては、とても売るほど量産する気にはなれません。セカンドウォレット共々、なにがネックになってるのかというと、革細工ならではでもある「手縫い」の工程なのです。

➡ ハンティングワールドのボストンバッグをリメイクしてみた その6 革(レザー)用ミシン アックスヤマザキ ジャノメミシン LC7500

↑の記事でも書いてますが、単に縫い合わせるだけであれば、1時間の手縫いと1分間のミシン縫いの違いは皆無です。お買い上げいただいたセカンドウォレットは、ありがたいことに手縫いがキレイという勿体ない評価をいただきましたが、これを作品のウリにしていると、よほど高い単価設定をしない限り、作業時間あたりの利益はコンビニの時給以下になってしまい、そう考えると次の作品を生み出す気力が萎えてしまうのです。
以前から「革製品は買うと高いけど自分で作ると安い」などと吹聴してましたが、自分の作業コストを入れていないからなんですよね(T_T)/~~~

前置きが長くなったので、作品解説はサラッと行きます(^^;)


コスト VS 機能 VS デザイン

昨年作ったトートバッグに使用した厚手の4号帆布が、質感、カラーラインナップ、加工のしやすさから非常に気に入り、ヤギ革も捨てがたいが、これと革を組み合わせたオリジナル作品を作ってみようと画策したのが2月のこと。ヤギ革から2年越しです(^^;)。

➡ 倉敷帆布と栃木レザーのビジネストートバッグ製作 その1 設計と材料調達

試作品を改良して販売することを想定し、以下のポイントを踏まえて設計します。
  1. 材料コストを抑える
  2. 手間をかけずに作る
  3. オリジナルの機能がある
  4. チャーミングなデザイン
1については、安価な帆布をベースにしつつ、要所は革を使用し高級感を演出。単に利益の問題ではなく、安くて高級感のあるものは利用者のメリットだと思うのです。

2は、前述した作業時間あたりの利益を考えて、基本的にミシンで作業することを想定。ここは利用者には全く関係ないし、想像できないコストなのでできるだけ抑えたい。

3は、ヤギ革の時に採用した、レトルトパウチ構造の底マチ。これを袋の内側で作り裏返して作り出す方法を自力で開発(ホントです)。薄マチのサコッシュでありながら、本気出せば500mlのペットボトルが入ります。ここでいうところの「オリジナル機能」は、シンプルでわかりやすく、ありそうでなかったという感じが良いかと思います。

そして、一番大事に考えているのが4のデザイン面。素材の組み合わせ方もデザイン要素と考えて、本体に対して大きめのポケット、肩ストラップ、本体留め具にはレザーを採用。2と相反するので悩みましたが、一番の特長であるポケットをミシン縫いにするのは縫製技術的にリスクもあり、クラフト感(手作り感)というデザイン的な効果も含めて手縫いにすることにしました。

「チャーミング」って、今どきあまり使わない言葉かもしれませんが、広告業界では制作物を検討する中でわりと使われる言葉だったりします。おじさんクリエイターは特にこれを大事にしていて、情報過多な世の中でなんとか振り向いてもらうためにできることは何なのかを、日々突き詰めて考えていたりします。デザインでいえば一目惚れするような可愛い造形であったり、開発意図やコンセプトが納得・共感できるものであったりと、兎に角、心に引っ掛かる何かを残せることが大事なわけです。

1と2を重視しすぎると、制約が多くなり、純粋に可愛いと思えるものや、他の作品との明らかな違いがあるものが作れないような気がします。また、3の機能面や使い勝手を重視しすぎると、やはりチャーミングとは反対の方向にいってしまうのでないかと(→コチラの記事参照)。だから、機能面ではすべてを満たすのではなくて、分かりやすい単機能が伝わったほうが良いような気がします。でも4は、1・2・3を差し置いても、可愛い・欲しいと思わせる突き抜けた魅力が必要なわけで、そこはコンセプトや開発ストーリーも含めたデザインが重要だと思います。

結局、コスト vs 機能 vs デザインは、トレードオフの関係がありながらも、そのバランスが大事なわけですね。
んで、ざっくり作った設計図がコチラ↓。試作品ということもあり手抜き感いっぱいですがw。
左からベース生地のサイズ、仕上がりサイズ、デザインイメージです。計算式は縦の生地サイズ52cmの内訳です。

サラッと説明とか言いながら、なかなか前に進みませんねw。以下やっと製作工程です。

型紙を使うまでもないのでチャコペンで直書き。設計図の19×52(cm)にあたる部分です。

縫い代もチャコペンで直書きします。

縫い代部分をアイロンでしつけます。真ん中の山折りは底マチです。

革をカットして面取り。カット面と裏面はトコノールで仕上げますが、こういうのも手間の一つ。

本体に対して、あえて大きめのポケットで、可愛いさと革細工感を演出します。

手縫い用の穴を開けます。ミシン縫いだと穴あけも一発勝負。縫製技術がなく怖いので今回は敬遠。

楽しくも時間がかかるのが辛い手縫い作業。この苦労が報われる値付けでは高すぎて売れないことは経験済み。

開口部は縫い無しでボンドとホックのリベット留めのみ。外から手縫い以外の縫製が見えないようにしてクラフト感を演出。

側面はミシン縫いですが、その前にボンドで接着するレザークラフト方式。

肩ストラップを本体に留めるための通し穴をヌメ革で製作。

ミシン縫い。糸はレザークラフト用のビニモです。

綾テープをボンドで接着。底マチを作る方法は自身であれこれシミュレーションして開発しました。

ボンドが乾いたら綾テープの上からさらにミシン縫い。相当頑丈です。

ストラップ通し穴を固定する部分は厚すぎてミシンが通らず、やむなくここだけは手縫いに。

開口部と底マチ部分をこれでもかとカシメで補強して本体はほぼ完成。ここで大詰めの袋を裏返す作業です。

細身のため裏返すのが予想以上に大変で、革も帆布もヨレた感じになってしまいました(T_T)

金ボタンを付けて開口部の補強とデザインアクセントとします。

本来予定になかったストラップ用の肩パッドも作ってみました。

結局ここでも革の手縫い作業が発生しています。。。
ストラップとなる太めの革丸紐を通して、いよいよ完成披露です。

大きめの革ポケットと底マチが2大特長。

底面だけにマチがあるので、サコッシュなのに自立します。自立の必要は皆無だけど。

ありそうでない布縫製でのレトルトパウチ構造。500mlのペットボトルがすっぽり入ります。

外からは手縫い以外の縫いは見えないようにしています。

レトルトパウチ構造の底マチを内側から見た図。縫いを片側に寄せても裏返すと外からは均等に見えるのです。
完成したところで、今一度ポイントのレビューです。
  1. 材料コストを抑える
  2. 手間をかけずに作る
  3. オリジナルの機能がある
  4. チャーミングなデザイン
1については、たくさん作らないと実際のコストの算出はできませんが、それなりに安いコストで作れていると思います。
問題は2。作業時間を厳密に計ったわけではありませんが、見た目がシンプルなわりに工数が多いため、手縫い含めて労力をかけすぎな印象はぬぐえません。
3については、薄マチでありながら、熱中症対策のペットボトルも持ち歩ける十分な容量ということで悪くないと思います。ところで、このレトルトパウチ構造の底マチを裏返して作る方法、自力で考えて編み出したのですが、後々調べてみたら既製品で同様の構造のものが存在してました。。。そりゃそうだよね(T_T)
そして肝心の4ですが、直線基調の帆布製サコッシュ自体はさして珍しくもなく、アクセントとなる革ポケットも手縫いでクラフト感を強調してみましたが、デザイン的に突き抜けた魅力があるかというと、「まー普通」な印象なわけです(;_;)。

もっと目的や用途を明確にした開発コンセプトやストーリーを練って、その解決のためのデザイン(4)や機能(3)が必要だと再認識。そして、その上で手間(2)とコスト(1)を抑える工夫をする、と発想の順番が逆なのですね(^^;)

といった反省から、この作品を量産することは断念。
次回はあらたにコンセプトから開発した新作をご紹介。

ちなみに、
今回の作品を見た細君の評価は、、、

「はじめてのおつかい」のお守り

でした(-_-;)

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