【公式型紙で作る】マニフォールドのラウンドジップロングウォレットを自作してみた

2016年10月17日月曜日

レザークラフト

t f B! P L

マニフォールド提供の公式型紙を入手

レザークラフト習作あれこれ

以前より時々話題に出してますが、革細工を始めて早3年ほどが経過しました。
最初の頃は練習がてら一山数百円のハギレでこんな↓小物ばかりをつくっておりましたが、
  • 靴べら
革を断ち、菱目打ちで穴をあけ、糸で縫い合わせる練習のためだけの作品。
裏はヌメ革。玄関に置いてますが、一度も使ったことがありません。
  • キーケース
マグネットを配するためではなく、革ハギレの大きさの都合でこのような形に。。。
部材は手芸屋で調達。内側は経年変化で飴色に。フックも一つ紛失。
  • がま口
手芸屋で200円のがま口キットを買って金具だけ利用。
シャツのポケットに入れても目立たないコンパクト加減と
デザインがお気に入りですが、開口部が小さいので大変使いづらい。
  • スマホケース
市販品ではあまり見ない縦開きの手帳型。
使用時、蓋を鷲掴みにできるので落としにくいという利点が。
楽天で200円で買ったケースをマジックテープで革面に接着。
カメラ穴を開けてないので撮影の度にケースごと脱着するのがメンドい。
スマホは携帯電話遍歴で紹介したドコモギャラクシーネクサスSC-04D。
ボタンが両サイドにあるのと革ハギレの大きさの都合で縦開きに。

3年もたつと少しずつ買い足した道具も一通り揃い、さらに独学でも多少の上達は見られ、小物ばかりではやや物足りなくなってきておりました。

マニフォールドのロングウォレットの型紙をゲット

そんなある日、東急ハンズの革細工コーナーで↓のムック本を手に取ったのですが

革や道具の知識・テクニックが満載。初心者に超オススメ。
その中になんと、あの人気ブランドのマニフォールドのラウンドジップウォレットの型紙が収載されていたのであります。

型紙はコピーして使います。
載っていた型紙は、実際に販売されている裏(ウラ)マニフォールド(URA MANIFOLD)↓という商品のもの。
わずか5枚のパーツで構成されたシンプルかつ機能的なウォレットであります。

SIZE : H10.0cm×W19.5cm×D2.0cm
COLOR : BLACK・TAN・MID BROWN

お客様からの提案により構築された “URAシリーズ” の第一弾。

コンセプトは『その日一日専用のお財布で、社員証&免許証が入る薄いお財布』。

お仕事の時に常に身に付けられて邪魔にならず、最低限の収納力を持たせたシンプルさが “URAシリーズ” のコンセプトである。

お札入れ部は2カ所存在。旧モデルでは壱萬円札にはギリギリのスペースであったが、お札入れ部を5mm高くする修正と、小銭入れ両サイドのカード入れ幅を拡大することで使い勝手を向上。

造りにおいては、極力パーツ数を少なくすることで作業工程を減らし価格に貢献するも、長年の使用にも耐うる仕様としている。

お客様のご要望により多くの TEST SAMPLE が生まれることとなり、現在に至るまでも密かに “URAシリーズ” は進化し続けている。

浅草橋アビチ(ABC)で栃木レザーを購入

小銭入れはいくつか作っていましたが札が入る普段使いの財布は作ったことがなく、また上記ムック本には型紙だけでなく作り方も事細かに紹介されており、これを作らずして一体何をつくるのかと思われたため、早速材料の調達にかかりました。

とはいえ、ハギレ以外の革を買ったことが無いので、デカい革はドコで買うのが良いのかいろいろ調べてみるとどうも日暮里や浅草橋あたりに革細工用品の店が多いらしい、そしてその中で「革のアウトレット」を標榜する浅草橋のアビチなるお店が気になり、休日出勤のついでに普段は全く用のない浅草橋駅に降り立ったわけです。
そのアビチ、お店は小さいのですが所狭しと材料が並んでおり、初心者には何をどう探せばよいのかサッパリわかりません。
HPにも登場している店主に相談し、いくつか候補を見せてもらった後、2.1mm厚の黒の栃木レザー37デシ(1デシ=10cm×10cm)と、1.3mm厚のヌメ革35デシという2枚を選択。
裏マニフォールドづくりには十分すぎる大きさですが、今後別のものを作ることも想定してここは奮発。
といっても2枚で7,000円くらいなので、定価17,000円の裏マニフォールド1個つくるだけで十分元が取れてしまいますが(商品とはクオリティが違うケドw)。

もうひとつの必要な材料であるファスナーは楽天で調達。
これもいろいろ調べてみると、YKKのエクセラなるファスナーがブランド品にも使用されている最高級品なのだとか。
んで、そのエクセラのエレメントにアルミ合金を使用したルミナというファスナーのマルチカラーチェーンが面白いかと思われ、クソ高いと思いながらもコチラも奮発してファスナーをサイズ違いで2本、さらに長さ調節用の上止め(単品がないので仕方なくスライダーもセットになったもの)を購入しました。

栃木レザー&エクセラファスナーと材料だけは一級品が揃ったところで、いよいよ工作に取り掛かります。

ラウンドジップロングウォレットを自作してみた

革を断裁する

まずは革の裁断。
前述のとおり革のパーツはわずか5枚。
本体であるオモテ面の2枚は浅草橋アビチで購入した黒の栃木レザーを、中の仕切り兼小銭入れ部分の1枚は同じくアビチのヌメ革を、カードのポケットとなる2枚はありあわせのハギレを使用しました。

それぞれ推奨の革厚があるようですが、あまりこだわってません。

ファスナー界の最高峰YKKエクセラファスナー

ムック本の作り方に従い、小銭入れ部分から作業を開始します。
単純に断裁して縫い合わせるだけでなく、仕上げを美しくするために断裁面の角を削ったり磨いたりという細かい作業で意外に時間がかかります。
これができたところで小銭入れ開口部にファスナー界のメルセデスとも言うべきYKKエクセラ(ルミナ)ファスナーを取り付けます。

マルチカラーのファスナーがアクセントに
ダイソーで買えば100円で束が買えるところ、このファスナーは12cm1本で約800円。
ファスナーのかみ合わせ部分の全面を研磨しているので開閉が滑らかで噛んだりしないのがウリなのだそうですが、よくよく考えると内側の見えない部分なのでここはもうちょっと始末してもよかったかもしれません。。。

ファスナーはもう1本、本体のラウンドジップの部分にも必要なのですが、こっちは丁度よい長さのものが手に入らず、ちょっと長めのものを自分で調節する必要がありました。
具体的には30cmのファスナーを購入し、それを3cmほど短くするため、務歯(ムシ)と呼ばれるファスナーの歯をニッパーで一つずつ切り離していきます。
が、この務歯が異常に硬く、実にしぶとく布テープにしがみついているため、切り離すのにかなりの力を要します。

右上のニッパーの近くにあるのが務歯の残骸。
どうにか務歯を切り離したところで、末端に上止めという金具を布テープに噛ませます。
欲しいのは上止めだけだったのですが、下止めやスライダーがセットになったものしか手に入らず↑の写真のとおり、こんなにスライダーばっかりどうすんだよ、という状態に。。。
元からファスナーについていた上止めが再利用できればよいのですが、務歯以上に切り離すのが難しくこれは断念しました。

喰い切りという工具があればもうちょっと楽に作業ができたかもしれません。

間違えて塗ったボンドを剥がすには除光液が便利

ファスナーの長さ調節が完了したところで、裏マニフォールドづくりで一番難しいと思われるラウンドジップの取り付けにかかります。
何が難しいかというと、本体革パーツの接着する側がアール形状となっており、急カーブを描くコーナー部分を含めて布テープの露出する高さを均等に保つのが大変だと思うわけです。
ボンドを塗った布テープが余計な場所にくっつかないように気にしながらベストな位置に貼るのは至難のワザで、そんなことに気を取られているうちにウッカリ布テープの反対側にボンドを塗ってしまい俄然やる気を喪失。。。

泣いていると細君がドラえもんのひみつ道具のように除光液なるものを取り出しました。

注意力散漫な性格が引き起こしたビフォー写真
これが効果てきめん、絶対に剥がれることがないと思われた万能神ボンド「スーパーX」が徐々に剥がれていきます。

ドラえもんの活躍でミスが帳消しとなったアフター写真
なんとか事なきを得ましたが、工程の中では結構な時間を食うハメとなりました。
自業自得ですが。。。

レザークラフトの楽しみ方

小槌を叩いてストレス解消

最も難所と思われるファスナーの接着を終えれば、あとはひたすら穴を開けて縫うの繰り返しであります。
革に縫い穴を開ける工程は最もレザークラフトらしい作業とも思われ、無心に木槌で菱目打ちを叩くのはよいストレス解消にもなります。
がしかし、本人のストレスは解消しても、その騒音が逆に周りにストレスを与えるようで、細君や子供から毎回うるさいというクレームが出るわけです。
当然夜の作業は憚られ、昼であってもマンションとかだと厳しいかもしれません。
ハンドプレス機なるものがあれば音無しで穴あけ作業ができるみたいですが、それよりもミシンが使いたいなーとか思う今日このごろ。


レザークラフトは本格的な道具がなくてもOK

レザークラフトは大物を作るのでなければ、専用の工具がなくても全然OKで、自分も最初は穴をあける菱目打ちと針と糸以外は、金槌やカッターなど家にあった工具をそのまま使っていました。
徐々に必要になってくる道具も、ダイソーで代替品になりそうなものを見つけて試したりしてます。

例えば、縫いの工程で革を挟んで固定するレーシングポニー↓という道具がありますが、


高さ抜群 ステッチングツリー レーシングポニー レザークラフト 道具 革 細工 手縫い 用 ニュージーランド木製[Harvestmart]

その代わりはこれw↓。
ダイソーの100円万力です。
底が吸盤になっていてお菓子の缶に固定すると高さ的にもピッタリ。

時々糸がねじに引っかかりイラッとしますが。。。
麻糸に塗るロウは、何故か家に大量の在庫があり今後も使うことは100%ないと思われるアロマキャンドルを流用。

指ぬきは毎回ハギレを適当にまるめて作ります。
趣味としてはイニシャルコストがそれほどかからないのと、成果物をそのまま使用すれば、その分の費用が浮く(元がとれる)ということで、レザークラフトは実益も兼ねた趣味であるともいえます。

楽しい縫い作業

縫い作業は一番時間がかかりますが、これもストレス解消になりそうな単純作業で、集中力の鍛錬にもよいかもしれません。
革用の手縫い針は、予め穴が空いた革を縫うので先が丸くなっていますが、それでも革の穴を通すときは、革の厚みで布よりもしっかりとした手応えがあり、その独特の感触が快感だなーとか思っていたりします。わかりますかね?
NHK朝ドラ「べっぴんさん」では、ひと針ひと針思いを込めてものを作ることが大事なんやで、ということになっていますが、大抵何も考えずにぼーっと縫い進めてます。

縫うだけで違うものが生まれるという、まさにものづくりの真骨頂
で、端折りますが↑の小銭入れ部分と本体を貼り合わせて底部を縫えば縫いの工程は終了。


仕上げに黒のトコノールでコバ(断面)を磨きます。


この最後の仕上げ工程が完成度を左右するとのことですが、シロウトにはなかなか難しい作業であります。
ともあれ本体はこれで完成!

ロングウォレットは使ったことがないので、ポケットに入れて使えるように穴を開けてハトメを留め、同じくムック本に作り方が載っていた4本編みのウォレットロープに繋げてみました。

完成品ギャラリー

で、その完成作品↓がコチラです。






ウォレットロープは合皮で編みがユルく、しかも長すぎの感がありますが、本体は遠目には問題なさそうに見えることもあり、ちゃんとしたものは初めてのわりにはそこそこできたなーと満足。
材料だけはご立派なものを使っているので、使い込むうちに味がでてくると思います。
ということで今回の工作は終了です。

これまで使っていたフランクリン・プランナー純正のバインダーが古くなったので、オリジナルデザインのバインダーをレザークラフトで自作してみたっていう話↓です。




サイト内を検索

ハンドメイド作品をメルカリ・ミンネなどで販売しています。

スポンサーリンク

過去の記事

いいね!はコチラ↓から




にほんブログ村 ハンドメイドブログ ハンドメイドバッグへ

QooQ